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スチームが70度で約10秒を繰り返す理由

はじめに

今日はなぜ型付けの際にスチームに入れるのか、その温度設定と時間はどうやって決めているかを解説します。
一般に70度で3分と解説しているサイトやYouTubeを見たことがあるのですが、当店の考え方は少し違います。

なぜスチームに入れるのか

グラブが乾燥したらスチームに入れます。
なぜスチームに入れるかというと、一般にものは熱くなると柔らかくなり、そして冷めると硬くなるからです。
もしくは水分量が増えると柔らかくなり、減ると硬くなることが多いです。
熱によって硬度が変わるのは鉄もガラスも、水も基本的には同じです。
温めて、成形して、冷ます。これが形を作るときの基本作業となります。

温度の理由

じゃあ温度をめいいっぱい上げて下げていけば、効果は大きいのではないか?という疑問にいきつきますが、スチームの温度は70度かそれ以下。
これ以上には上げてはいけません。
なぜならばグラブはクロム鞣しという方法で鞣されていることが多いのですが、
その方法だと熱収縮温度が77~120度だからです。これは湿潤環境で測定されたものです。

熱収縮温度というのはたんぱく質が変性するときの温度で、
この温度を超えると革は硬く、もろくなります。
これは元に戻りません。

繰り返す回数

なので柔らかくなる程度には温度を上げたいが、熱収縮温度に到達しないように注意する必要があります。
そして温めて冷ますという行為を繰り返すことによって、理想の形を作り上げていきます。
なので長時間温めて型付けをするのではなく、10秒を繰り返す、ということに行きつきます。
繰り返す回数は大体5回くらいが多いかな。
ここはグラブの様子によって慎重に変えていきます。
必要があればスチームで吸い込んだ水分が抜けるのを待って、再度10秒ほどスチームに入れることもあります。

まとめ

以上の理由から70度で10秒ほど、複数回スチームに入れるという作業を行っています。
この方法に変えてからは革へのダメージも減りましたし、型付けもよりうまくいっています!

参考URL
https://www.hikaku.metro.tokyo.lg.jp/Portals/0/images/shisho/shien/public/151_2.pdf
https://jalt-npo.jp/%E7%9A%AE%E9%9D%A9%E3%81%AE%E7%9F%A5%E8%AD%98/%E9%9D%A9%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%88%AC%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%80%A7%E8%B3%AA/

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